【高専入部編】トランペット10年間続けてみた結果…【体験談】
私は中学校入学から高専専攻科修了*1までの10年間、一貫して吹奏楽部に所属してトランペットを担当していました。それを通しての自分の考えや体験を書いていきたいと思います。
この記事では中学を卒業し高専吹部でトランペット担当になるまでを書きます。高専編まで行きたかったのですがそこまでで3,000文字をを超えたため分割します。中学編の記事の続きとなっていますのでそちらから読んでいただけると幸いです。
それでは目次です。
高専時代
中学の部活動での経験から入学時点では「高専では吹奏楽をやらない」と決めていたのですが高専でも私は吹奏楽部に所属することになります。入部後のエピソードを書く前に入部してトランペット担当することになる経緯や心境の変化をまとめていきたいと思います。
トランペット担当までの経緯
さて吹奏楽部をやらないことを決めていた私ですが肝心なところである代わりに何に取り組むかは全く考えていませんでした。今思うとすごく浅はかな決意でした。
部活動紹介
高専に入学して入学式やオリエンテーション、健康診断などの年度初めの行事が落ち着くと学生主催の部活動紹介がありました。そこでは高専にある部活動が全て紹介されます。やはり印象的だったのは普通高校にはあまりない技術部系でしたね。
どの部活に行こうか考えながら会場である体育館を出ようとすると出入口付近でいきなり誰かから声をかけられました。それが吹奏楽部の先輩だったのです。その時私はびっくりしました。出入口は他の新入生でごった返していたのに対しピンポイントで自分一人に勧誘してきたのです。
正直狙ったかのように経験者を勧誘してきたことに不気味さを感じていました。ですが初対面で事情を明かすのも嫌ですし勢いに押されて見学に行くことにしました。
活動場所までの道中に…
活動場所に向かう途中で先輩と軽い自己紹介や雑談をしました。そこで私は致命的なミスをおかします。
なんと自分から「中学で吹奏楽部に所属しトランペットを担当していた」ということを話してしまったのです。
そのような事実が知られていれば勧誘は激しくなりますし断りづらくなるのも明白です。ですが当時の私は何の考えもなしに中学時代の事を話してしまいました。
自分のしでかしたことに気づくことなく先輩と呑気に雑談していると吹奏楽部の活動場所である合宿所に到着しました。
はじめまして高専吹部
先輩と一緒に入るとまずは歓迎されたことが印象に残っています。中学時代からすると久しぶりの体験でした。部内をよく見てみると男女比は大体半々くらいです。元になっている高専の男女比が8:2くらいですので吹奏楽部の中でも男子部員が多くなります。
あとは歳の離れた部員がいることが印象的でした。高専は5(+2)年制*2のため15~22歳の学生が在籍することになります。さすがに社会人バンドには敵いませんが学生バンドにおいては非常に幅広い年齢層のバンドとなるわけです。
それまでの学生生活では関わることのなかったいわゆるお兄さんお姉さんといった感じの先輩方に緊張しながらもその日はトランペットを適当に吹いて帰りました。
他部の見学へ
次の日には吹奏楽部以外の部活動を見学してみることにしました。同じ音楽を扱う軽音部と部活動紹介で印象に残った技術系の部をまわることにしたのです。
ですがどれもいまいちピンと来ません。私の保守的な性格も相まってやりたいという気持ちよりも未経験からやるのが大変そうという気持ちが勝ってしまいます。
要は吹奏楽部の経験者というアドバンテージを捨ててまでやりたい部活がなかったのです。他の部活動の見学を経てここから徐々に心境が変化します。
心境の変化
吹奏楽をやらないという心境からどのように変化したのかというと
吹奏楽部には入るけどトランペットはやらない
と考えるようになりました。まず吹奏楽部を入りたいと思った理由はやはり雰囲気というか居心地の良さでした。高専吹部は吹奏楽経験者として劣等感を持っていた私を素直に歓迎してくれました。部活動に居場所を見出していなかった私には非常に魅力的でした。
そして楽器を変えればトラウマを回避して自分が傷つくことが無くなると考えたためです。トランペットは吹奏楽では旋律を担うことがとても多いです。そのため素人にもミスが分かりやすいのです。この性質から中学時代に校内で演奏を披露すると部外からも非難されることがありました。
つまり目立ちにくい裏方にまわることが多い楽器に転向すれば居心地のよい吹奏楽部に入りつつ自分のトラウマを回避することができると考えたのです。他の楽器の適性があるかもしれませんしね。あとは末っ子気質で当時15歳の私にとって吹奏楽部のお姉さま方が魅力t失礼いたしました。よこしまが出てしまいました。
トランペット回避シナリオ
さて吹奏楽部に入部することを決意したのはいいのですが担当楽器がトランペットになることは避ける必要があります。それを回避するための筋書を私は考え始めました。
トランペットは非常に目立つと書きましたが言い換えれば花形ということにもなります。そのため吹奏楽の楽器では人気が高いです。ですから同級生の中に自分と同じトランペット経験者がいてもおかしくありません。
そのトランペット経験者が見学に来た時が私のチャンスです。部に私がトランペット経験者とバレている以上その人とは同じ席を奪い合うことになります。その際に私は相手を持ち上げ自分は下手なフリをするのです。
あえて競合相手に席を譲ることによって敗者の私は自然と他に楽器に移れるという流れです。当時は割と完璧だと考えていましたがそもそもパートの枠が2人の場合やこれから書く事態には全く対応しておらず穴だらけです。
そんなことに気づく訳もない当時の私はこのシナリオを頭に入れてトランペット回避を目指して行動していきます。
正式入部からのお試し期間
入部の決意をした私はすぐに入部届を出しました。ですが入部したタイミングが早くまだ見学期間の最中でした。そのため私はしばらくお試し期間として見学者と同じようにいろんな楽器をまわることになったのです。
ここで私は転向後に備えトランペット以外の楽器を積極的に触ろうとします。転向先の最有力候補はトロンボーンでした。同じ金管楽器ですし乗り換えのストレスが少ないと考えていたのです。
そこで私はお試し期間の間トロンボーンの練習をしつつ自分を負かしてくれるトランペット経験者を待つことにしました。しかし現れたのは予想外の人物でした。
大誤算
トロンボーン練習中の私の前に現われたのは何とトロンボーン経験者の同級生でした。なんとトランペットの席ではなくトロンボーンの席を争う羽目になったのです。
私の策略を知る由もない同級生は軽く挨拶をするとトロンボーンに吹き始めました。一瞬で分かりました、圧倒的敗北です。私はすぐに楽器を手放しトランペットの所へと向かいました。
肝心のトランペット経験者は結局来ませんでした。私の学年に元々いなかったのか他の部に入ったのか知りませんが見学に現れることはなかったのです。
最終的には
お試し期間が終わり入部者の中で唯一のトランペット経験者だった私はトランペットを担当することになりました。私の世代は半分以上が経験者でした。ごねて他の楽器に行ってもその楽器の経験者と競うことになります。
そのため私は最も自分の経験が活きるパートがそこであると考え部の決定に従います。その日の夜に「トランペット、もう5年間向き合ってみる」と母にメールしトランペットともう一度真摯に向き合っていく決断をします。
過程こそ不本意なものでしたが後に魅力的な仲間たちに出会うきっかけ、楽器を通しての自分の成長、一つの事を最後までやり抜く経験に繋がるこの決断を私は今でも誇りに感じています。
後書き
最後までお読みいただきありがとうございました。実はお試し期間と正式入部がどちらが先だったか曖昧です。順番が大事ではなくお試し期間で起こった出来事が書きたかったため正式入部を先だと暫定して書きました。もしリアルと違った場合はすみません。